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「ケホッ、くっそ…」
息苦しさに顔が歪む。
「おら、さっきまでの威勢はどーした?自力で振り払ってみろや。」
無茶言うんじゃねーよ。
こちとら両手塞がってんだぞ。
まぁ、両手使った所で勝てる気もしないけど。
せめて気持ちだけでも負けたくなくて、真っすぐにソイツの目を睨み返す。
そんな俺の態度が気に入らなかったのか、俺の胸倉を掴んでいる男―…A先輩が目を見開いて拳を振り上げた。
訪れるであろう痛みに、反射的に固く目を瞑る。
が、俺の顔に衝撃は無い。
ゆっくり目を開けると、俺に殴りかかろうとする手を仲間の一人―…B先輩が止めていた。
え、なんで?
まさか仲間割れ…とか?
「おい、どういうつもりだ。」
邪魔をするな、という視線を仲間に投げつけるA先輩。
「そんな怒んなよ。そいつの顔に傷つくるなんて勿体ないだろ?」
そう言って近づいて来たB先輩は、俺に自分の携帯の画面を見せる。
「―ッ!!それはっ、」
「あ、コレやっぱりお前?今後輩から『復帰祝い』って送られてきたんだよ。」
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