災難続き

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俺が笑っても湊の表情から心配の色は消えない。 むしろさっきより眉間にシワが寄ってませんか? いや… 確かに泣くか笑うかどっちかにしろ―…とかツッコミ所はあるけどね。 人の笑顔見た瞬間にその反応って… そんなに見苦しいのか、俺の顔は? ははー、何だか泣けてきたよ。 あ、もう泣いてるんだった。 「おい、唯人?」 「えっ…あぁ、ゴメン。」 急に動かなくなった俺を湊が引き戻した。 やばいな… 予想以上にテンパってる。 どうでもいい思考がグルグル廻って、冷静にものを考えられてない。 俺の涙を優しく指ですくった湊。 …コイツ、いちいち優しいよな。 普段は無口・無表情に加えて、顔が整っているせいで冷たい印象を持たれる事が多い。 でも本当は人一倍優しくて、大切な時はいつもの何倍も話をして気持ちを伝えてくれる。 まぁ、それでやっと人並みの会話量なわけですが… ひょいっ、 「ぅわあっ!?」 また思考にトリップしていた俺の体が急に浮き上がった。
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