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俺達しかいない部屋。
温かい湊の体温に包まれながら、背中に湊の穏やかな心音が伝わって安心する。
「唯人、また迷惑かけてるとか思ってない?」
「思ってない。」
ただひたすら安心してた。
けど―…。
…もしかして迷惑になってたのかな?
「はは。それならいい。」
えっ、湊が笑った…!
あの湊が声を出して笑って、嬉しいような安堵したような声を出すから。
さっきまでの不安感が一気に吹き飛んだ。
何だか無性に湊の顔が見たくなって、体を回転させて湊と向き合う。
急に俺が振り向いたから、湊が「わっ」と小さく声を発した。
「ビックリした…どうしたの。」
「いや、湊が笑ったから顔が見たくて…もう普通に戻ってる。」
「え、別に見なくても…」
いやいや。
アナタの笑顔なんて超レアですから。
見てみたかったに決まってるじゃん。
でも…
それくらい普段笑わない湊が、俺のことで笑ってくれたと思うと無性に嬉しかった。
まさかあんな事で笑ってくれるなんて…
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