おじゃまします。

4/13
前へ
/411ページ
次へ
■湊 side 洸は唯人の顔に視線を落とした。 穏やかな寝息を立てている様子を見て小さく微笑んでる。 大事にしてるんだ、唯人を。 洸は顔を上げて俺を強く睨みつけた。 「湊。」 洸の低くドスの利いた声に全員の脚が止まる。 「…」 俺も脚を止めて洸と真っすぐ向き合った。 返事をしなかったのは、洸が何を言いたいのか分かっているから。 「お前、唯人のこと泣かせたよな?」 「…ん。」 返した返事は短かったけど、胸の中は後悔や悲しさ…たくさんの感情が渦巻いてる。 今日の唯人との会話を思い出して、またチクリと痛んだ胸を押さえて俯いた。 「おい湊、こっち来い。」 「ん。」 今の洸は唯人を抱き抱えていて両手が塞がっているから、殴られる事は無いだろう。 あ―…でも、 蹴りを食らうかもな。 そんな事を思いながらも、真っすぐに洸の前へ向かう。 唯人を泣かせたのだから仕方ない。 でも… さすがに骨は折って欲しくないかも。 ドゴッ 「―…っ、」 …あれ? 「何呆けてんだボケ!」 「え…頭突き?」
/411ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2659人が本棚に入れています
本棚に追加