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■洸 side
唯人の友人で守山と名乗った男の後をゾロゾロと付いて歩く。
それにしても、コイツは何者だ?
喧嘩するような奴には見えない。
なぜ俺らを怖がらない?
普通の奴らは俺らの名前を聞いただけで逃げ出すくらいなんだが…
根性が据わっているのか、それともただのバカなのか。
「ずっと唯人を抱えてくれてたんですか?」
「は?…そうだけど。」
考え事をしていて反応が遅れた。
やや棘のある返答になったが、守山は特に気にした様子もなく言葉を続けた。
「ありがとうございます。腕、疲れてません?」
「平気。コイツ軽いし。」
「そうですか。」
そう言って笑った顔が、どこか複雑そうで引っかかる。
…なんだ?
怪訝な顔で守山の様子を窺って見たが、それ以上話しかけてくる事はなかった。
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