おじゃまします。

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「あなた達って"あの"美術部ですよね?」 表には決して出さないが、全員が守山の言葉に敏感に反応した。 「"あの"…とは?」 「いや、ここらじゃ有名でしょ?」 そう言って笑う剣吾の表情や顔からは悪意のようなものは感じられない。 どうやら皮肉や悪口で言ったわけではないらしい。 最も、1人で俺ら全員を同時に敵に回すなど、死に等しい行為だが… 「僕たちの事知ってて、貴方は少しも怯えた様子を見せませんね。」 知っていたのなら、なぜ逃げない? 「んー、その必要はないかなって。」 「どうして?」 「唯人が安心しきってるから。」 「え?」 声を出したのは洸だった。 少し驚いたという表情をする洸に、守山はまた微笑んだ。 「唯人がここまで深く眠るなんて、よっぽどあなた達に気を許してるんだと思いますよ。」 そうでない相手なら、傍に寄った時点で目を覚ますらしい。 「…随分よく知ってるんだな、唯人の事。」 「生まれた時からの、幼馴染ですから。」 そう言って笑って前を向き直した一瞬だけ、守山の表情が陰ったのを見逃さなかった。
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