おじゃまします。

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その後は守山と千紘が何か他愛もない話をしていた。初対面の相手に千紘がここまで打ち解けるのも珍しい。 本当に、コイツは何者なんだ? しばらく歩くと、一軒の大きな家の前で守山が足を止めた。 「この馬鹿デカイ家が、唯人の家です。」 周辺の家に比べると、その大きさは群を抜いている。 「は…ここ?」 「これはこれは。凄いですね。」 「豪邸…」 「マジでここに住んでんの?」 「姫ちゃんって、本当にお姫様だったの!?」 最後の方の意味不明な発言はスルー。 家に明かりが点いていないから、家族はまだ帰って来ていないらしい。 「この向かいが俺の家です。今日は俺の家で唯人を見るんで、こっちに運んで下さい。」 そう言って通された守山の家も、唯人の家とまではいかないが、一般家庭の家より大きくて綺麗だった。 ガチャ 「ただいまー。さ、どうぞ。」 「「「「「おじゃまします。」」」」」 おずおずと家の中に入る5人。 その表情は緊張で固く、引きつっている。 「あれ、いつまで玄関に居るんですか。お茶を出しますから、リビングへどうぞ。」 「「「「「…はい。」」」」」 「?」 俺らから喧嘩を売る事はしないが… 喧嘩などとは無縁であろう守山のような人間には煙たがられる。 そんな平和な一般家庭など、当然お邪魔した事は無いわけで… (((((ヤベー…緊張してきた))))) 意外な所で人生最大級の緊張を味わう事となったのだった。 …不良ってのは命がけのケンカよりも、真っ当な雰囲気に弱いモンなんだよ…
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