君との距離

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守山は唯人から離れ、大きく伸びをしてこちらを振り返った。 「さ!唯人の体調に異常も無い事ですし、俺たちも下に行きませんか?」 そう言った守山の表情は、最初に見た時の明るいものに戻っていた。ドアに向かって歩き出した守山の手を、慌てて掴んで引き止めた。 「先輩?」 驚いて守山が振り返る。 取りあえず掴んでいた手を離し、やや考えてからやはり口を開く事に決めた。 「悪い。その…唯人の事でお前に話が聞きたくて…」 「はい。俺も聞きたい事あります。でも場所を変えましょうか。」 「コイツ、一人にして平気か?」 「それなら心配ないですよ。桃ー、入って来て。」 「?」 「失礼しまーす。」 守山がドアに向かて声をかけると、中学生くらいの女の子が部屋に入ってきた。 「紹介しますね。俺の妹の『守山桃花(モリヤマ モモカ)』です。」 「はじめまして!」 「…ども。」 「こちらが唯人の部活の先輩の『出城洸』先輩。」 「ほー…このイケメンが唯ちゃんを―…////」 「桃~…全く。じゃ、何かあったらすぐ呼んでな。」 「はーい。」 イマイチ状況が理解できないまま自己紹介は終わり、守山に背を押される形で部屋を後にした。
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