2659人が本棚に入れています
本棚に追加
守山は唯人から離れ、大きく伸びをしてこちらを振り返った。
「さ!唯人の体調に異常も無い事ですし、俺たちも下に行きませんか?」
そう言った守山の表情は、最初に見た時の明るいものに戻っていた。ドアに向かって歩き出した守山の手を、慌てて掴んで引き止めた。
「先輩?」
驚いて守山が振り返る。
取りあえず掴んでいた手を離し、やや考えてからやはり口を開く事に決めた。
「悪い。その…唯人の事でお前に話が聞きたくて…」
「はい。俺も聞きたい事あります。でも場所を変えましょうか。」
「コイツ、一人にして平気か?」
「それなら心配ないですよ。桃ー、入って来て。」
「?」
「失礼しまーす。」
守山がドアに向かて声をかけると、中学生くらいの女の子が部屋に入ってきた。
「紹介しますね。俺の妹の『守山桃花(モリヤマ モモカ)』です。」
「はじめまして!」
「…ども。」
「こちらが唯人の部活の先輩の『出城洸』先輩。」
「ほー…このイケメンが唯ちゃんを―…////」
「桃~…全く。じゃ、何かあったらすぐ呼んでな。」
「はーい。」
イマイチ状況が理解できないまま自己紹介は終わり、守山に背を押される形で部屋を後にした。
最初のコメントを投稿しよう!