君との距離

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「ケンカでもしてたのか?」 「貴方の方から唯人君と距離を置くとは思えませんが…」 弘斗の言葉に守山はコクンと頷く。 「俺と距離を開けようとしたのは唯人だ…」 暫く黙って何かを考えていた守山は、意を決したように口を開いた。 「皆さんは、唯人の事をどこまで知っているんですか?」 唐突な質問に思わず呆ける。 「どこまで…って?」 「具体的に言うと…唯人の"弱さ"の部分についてですかね…」 唯人の弱さ… 「アイツ、首筋と耳がスゲー弱いよな。普通の奴の5倍くらいの反応するだろ。」 スパーンッ ドゴッ 「ごふっ!!?」 「そういう話じゃないでしょう!?もっと精神的な部分の話です!シリアスな空気をぶち壊す様な発言はやめて下さい!」 「洸…空気読んで。」 湊…お前今まで空気化してたぞ。 「はは。唯人は基本的に全身弱いですよねー。」 「「お前もツッコめよ!!」」 「痛てー…お前らのツッコミ痛い。もっと優しさと愛を込めてくんねぇ?」 弘斗にグーパンチされた横腹と、湊に叩かれた頭をさする。 あ、自分で愛とか言っといて鳥肌立ってきた。 そんな俺の横で湊が溜息をつき、「洸と守山君に任せていては話が前に進まない…」と頭を抱える弘斗が見えた。
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