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■新 side
つまりは、こういう事やんなー。
今、俺は湊に甘えられて嬉しいと思ってる。それは大好きな人に必要とされてるって実感できるから。
一緒に居れて、幸せや思えるねん。
「湊。」
艶やかな黒髪が指の間を流れ落ちてゆく感触を楽しみながら、そっと囁くように名前を呼ぶ。
すると僅かに揺らぐ黒い瞳が、戸惑いながらも俺を映す。
「大事な仲間を泣かせた+頼ったら負担になるって唯人の思考が悲しかった=思いの他ダメージを食らった…てトコ?」
「ん…俺、情けない…」
「大丈夫や。唯人も何や訳アリなんやろ。ちゃんと話したら分かってくれるよ。」
「ん。」
「せやから元気出し。唯人守って、いっぱい話してくれてありがとぉな。」
「ん。…///」
あ、珍し。
湊が照れとる。
赤なった自覚しとるからか、俺の腰にぎゅーって抱きついて顔を隠す湊。
わぁー!!
過去最高レベルのデレきたでっ。
めっさ可愛ぇ(笑)
小さい頭を撫でながら腕に抱いたとき―…
ピッコーン♪
ピロリロリン♪
パシャッ!
ピーッコンデン テロゲレリ~♪
「「え?」」
一斉に耳に届いたシャッター音に顔を上げれば、椅子に座る全員が俺らを見下ろしながら携帯を向けている―…ってえ?
「あのー…?一応聞くけど、何してるん?」
「何って、ムービー撮ってるの。照れながら凹んでる湊なんて、もう一生見れないかもしれないんだよ!?激レアじゃん!!」
「まぁ…そうやけど…」
写真やなくてムービーって所に悪意感じるわ。
「…そのシャッター音、何?」
「これね!意味不明な感じでいでしょ☆」
「全然よーない!つか、もはやシャッター音ですら無いわ!」
「何で!?超いいカンジじゃん!」
ピーッコンデン テロゲレリ~♪
もう一度シャッターを押して、奇妙なリズムのメロディーが流れる。
(((((…別に良くない…)))))
千紘の意味不明なシャッター音とか、何で守山君まで写メってるんやろ―…とかツッコミ所は多々あるけど。
取りあえずは…
「全員、後でデータ俺にも転送な。」
「!!?」
「「「「了解。」」」」
湊の記念すべきデレ写真ゲットや。
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