秘密

6/56
前へ
/411ページ
次へ
「剣吾?」 「…唯人…」 いつも明るく優しい剣吾の、こんな弱々しい姿を初めて見た。 いつだって縋って宥めてもらうのは俺の方で、コイツはいつも「大丈夫、俺がいるから」って受け止めてくれてたから。 剣吾がしてくれていたように、手を背中にまわして優しく擦る。 「剣吾、どうしたの?」 「…怖かった。」 「なにが?」 「お前が…いなくなった事。」 「…え?」 ―…俺?
/411ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2659人が本棚に入れています
本棚に追加