秘密

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俺と剣吾しかいない静かな部屋。 真っ暗な静寂の中、痛いくらい抱き締められている。 二人の間に隙間なんてない程に強く。 少し痛くて苦しいけれど、あれから何も言葉を発しない剣吾の手が僅かに震えていて、「離して」だとか「力を緩めて」なんて言えなかった。 言ってしまったら、それは剣吾を拒絶した事になりそうな気がして。
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