秘密

15/56
前へ
/411ページ
次へ
「俺、唯人に謝らなきゃ…」 「なにを?」 俺が謝らなきゃならない事なら山ほどあるんだけど…逆に謝られるような事あったか? きょとりと見上げれば、健吾は自嘲したような笑みを見せた。 そして一度俯いて強く足元のシーツを握り、何かを決意したような強い視線で俺を見た。 「俺は…  ずっと昔から特別な感情を持ちながら、親友だって言いながら側にいた。  ずっと、嘘ついてた。  俺の事を『一番大切な親友だ』って笑いかけてくれるお前に、『俺もだよ』って答えながら、心の底ではもっと別の感情を隠し抱いてたんだ。  騙してたんだよ、お前を。  何年も、何年も。    ―――――…ごめんな。」
/411ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2659人が本棚に入れています
本棚に追加