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俺の頭を撫でていた手が止まって離れて行こうとしたから、俺はムッとして剣吾の手に頭をグリグリと押しつけた。
なんだよ、前なら抱き締めるくらいしてたろ。変に遠慮してんじゃねーよ、バカ剣吾。
「…はは、困った奴だな。」
クスクスと笑って再び俺の頭を撫で始める。
うん、気持ちいい。
やっぱ安心するんだ、剣吾の手は。
「なぁ、剣吾。」
「なに?」
「お前のさ、気持ちに返事しなきゃだよな。」
「そうだね…急だったし、無理に今すぐ決断しろとは言わない。
でも、返事がないまま時が流れて有耶無耶になったり、なんとなく距離が空いてしまうのも嫌だ。
だから、俺の気持ちを知って、どう思ったか。あと、これからどう接すればいいかだけは、教えて欲しい。
遠慮はいらない。
正直な気持ちを聞かせてくれ。」
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