秘密

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真っ直ぐに俺の目を見てそう告げた剣吾。 直接言いはしなかったけど、もし俺が「もう俺に近づくな」と言えばその通りにするんだろう。 まぁ言う訳ないけどさ。 惚れてるにしたって、もう少し自分の意見を通せばいいのに。いつだって、俺の事を優先してさ。少しは自分の事を大事にしやがれってんだ。 …ばか剣吾。 耳澄ましてよく聞いてろよ、ばーかばーか。 「…俺は、剣吾と距離を置きたいとは思わない。」 「!!」 「剣吾の告白聞いて、想像もした事なかったからやっぱり驚いたけど… 嫌悪感とかは全くない。 むしろ嬉しかったくらい。 照れすぎてパニックにはなったけどな。」 マジで顔真っ赤になったもん。 剣吾の顔見れなかったし。 「剣吾の事は大切だよ、誰よりも。 もちろん好き。 大好きだ。 でも、俺の好きは恋愛感情なのかと聞かれたら…多分違う。俺は、剣吾をそういう意味で意識した事なかったから。 だから、俺の『好き』は、恋愛感情じゃなくて『親愛』や『友愛』だ。 それでも俺の側にいたいと思うか?」 剣吾の気持ちに応えられないくせに、剣吾の側にいたい。 大好きだから、離れたくない。 やっぱり俺は自分勝手だ。 でも、これが俺。 これが、俺のキモチ全部だよ。
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