秘密

30/56
前へ
/411ページ
次へ
愛の重みや気持ちの大きさなんて、きっと本人にしか分からない。 それでも自信を持って「俺の想いはお前にも負けないよ」って言えるくらい剣吾の事が大切だって、本当に分かってるか? 「…もっとワガママになればいいのに」 「え?」 「剣吾はいつも俺の事ばっかりだ。 優しくしてくれるのは嬉しいけど、俺だって剣吾が大事なんだから… 剣吾ももっと我儘言って、甘えて、頼って来てよ。」 「唯人…」 「今までは、俺が剣吾に頼り切ってたから…剣吾の優しさに甘えて、自分の事ばっかりだった。 『親友』って言葉で剣吾を縛って苦しめた。 ごめんな… そんで、俺のために『親友』で居続けてくれてありがとう。」 剣吾は、俺が思ってたよりもずっと深く、俺を愛してくれてた。 俺が思ってたよりもずっとずっと優しくて、強い人だった。そして、本当は弱くて臆病なココロをたくさん持っている人だった。
/411ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2659人が本棚に入れています
本棚に追加