秘密

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「長い時間を一緒に過ごしてきたけど…今やっと、本当のお前を知る事ができた気がする。」 そう言って微笑めば、剣吾の瞳がゆらりと揺れる。 「ゆ、いと。」 また泣きだしそうな剣吾。 慌てて頭を撫でると、ポロリと大きな粒が瞳から零れ落ちた。 「あれっ逆効果!!?」 「うぅぅぅ―…」 「わわわ…どーしたんだよ?」 「だ、って…両想いになれないのは分かってた… けど、こんな気持ち持っちゃった俺を受け入れてくれるなんて思ってなかったから… 安心と嬉しさで涙腺崩壊したぁ―…」 そう言ってポロポロ涙を流す剣吾。 なんか、いつもは包容力のあるお兄ちゃん的なイメージだから、ギャップがやばい。 でもなんか…でっかいワンコみたいで可愛い…かも。 大きくて気性の穏やかな…ほら、ゴールデンレトリバーみたいなかんじ。
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