秘密

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こっちの剣吾もいいな。 うん、かわいいー。 頭をナデナデしながら頬を緩ませる。 「意外と涙もろい?」 「う…今日は、特別。唯人が、隣に帰って来たから。」 帰って来たって… 俺はプチ旅に出ていた猫か! まぁ、何も言わず勝手に姿を消したのは悪かったけどさ… 「ごめんな、もう勝手にどっか行ったりしないから。」 「…絶対だぞ。」 「うん、約束。」 両手で髪をわしゃわしゃーっと撫でくり回したら、さすがに両手首を掴んで止められた。 あ、涙止まった…かな? まだちょっとウルウルしてるけど。 「……犬扱いすんな。」 ぐはっ、ヤバいぞ。キュンと来た。 少し拗ねたようにウルウルな瞳で見つめてくる。…やべー、垂れ下がった耳としっぽが見える。 そういえば「ケンゴ」と「ワンコ」って発音似てない? もういっそ二つを足して「ワンゴ」って呼ぶのはどうだろうか。 ……うん、ゴメン調子乗った。 これは無いわ―。 っていうかさ。 俺って犬好きだったのか。驚
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