秘密

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なんかこのままだと再び撫でくり回したい衝動に駆られそうで、距離を取ろうと動いてみるも―… 「ん、何で離れるの。」 ガッチリ。 あ、両手首ホールドされてるの忘れてた。 「えーっと…手、離さねぇ?」 「いいけど、距離…を取られるは、嫌だ。」 視線を外して、語尾が小さくなりながらもそう告げた剣吾もといワンゴ。 あ、俺が「我儘言え」って言ったの気にしてる?それで勇気出して言ってみた、と。 …ふはっ、何か嬉しいな。 「動かないから、取りあえず手は離して。ずっと顔の高さで腕上げてたから疲れてきた。」 「あ、ゴメン。でもグーにして手首ダランってしてたから、猫みたいで可愛かったのに。」 「剣吾は猫好きか。」 「そういう唯人は犬好きみたいだな。良いこと知った。」 「良いこと…?俺も自分が犬好きだって今知った。 で、剣吾。 頭撫でてもいいか。」
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