秘密

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腰から砕けそうになるのを必死に耐えながら、剣吾の言葉の意味を理解しようと頭を働かせる。 シタゴコロ…? 下心って…心中に隠し持っている意図やたくらみ(辞書参照)だよな。でもこの場合で使う下心ってのはつまり―… 「…っ!!?////////」 「意味、理解した?」 「した、けどっ!…ほんとに?」 「嘘ついてどうするの。それに、好きな人相手になら邪な感情くらい抱いて当然でしょ。」 それはそうだけど! 健全な男なら大概みんなそうだろうけど! 「でも…」 ほんとに、剣吾も? 俺なんか相手に、その…ドキドキしたりムラッとしたりするワケ? 「俺、唯人の嫌がる事は絶対にしたくないから必死で押さえてるけど、本当はキスだって…それ以上の事だって、唯人としたいって思ってるよ。」 「!!!」 「ぶっちゃけ、今にも理性が切れんじゃないかって怖くてしょうがない。…でも、俺は唯人を泣かせて、唯人に嫌われる方がずっと怖い。」 ぎゅっと、離れられないように抱き締める力を強める剣吾。 今までは何ともなかった行為だけど、今の色々ぶっちゃけた話を聞いて―…正直どうしたらいいか分からない。 つまり剣吾は俺相手に欲情する…というより今現在進行形nowで欲情している訳だが、だからといって嫌いになった…とかは無い。全く。 ただ、やっぱり少しの警戒心やら危機感は芽生えた。 そうか。今まで散々鈍感だの俺に足りないだの言われていたのはコレだったのか。 そりゃ傍で見てた剣吾が心配になるハズだよな―…うわ、今までよく無事だったな、俺。
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