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しばらく笑ってじゃれ合ってたら、ふと「あ。」と剣吾が声を漏らした。
どうしたのかと顔を見上げると、ニコーと笑顔を向けられた。が、この笑顔はイケナイ。
何か悪戯を思いついた時の顔だ。
「俺、唯人を泣かせたくないし、無理やり手は出さないって言ったじゃん?」
「うん。」
「でもさ、これからも唯人が好きな気持ちは、絶対消えないと思う。
だから、いくら俺が無害だからって、俺が男で、唯人の事が好きなんだって忘れないで。
今までは俺の事、そういう対象として見てなかったでしょ?
だから、これからはガンガン俺の事を意識させて、ドキドキしてもらうつもりだから―…覚悟してろよ?」
妖しく笑いながら、俺の首筋にツ―…と人差し指を滑らせる剣吾。
思わずピクリと肩を揺らす。
頬に熱が集まって、一気に体が熱くなった。
「ま、意識しすぎて距離開けられても困るし、程々にしとくけどさ。」
そう言って悪戯に笑う剣吾に、俺は「お手柔らかに…」としか返す事ができなかった。
……これからどうなるのかが不安です。
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