2659人が本棚に入れています
本棚に追加
うーん、どう話すべきかな。
俺が剣吾と距離を置いた理由を述べる為には、かなり過去まで遡って話をする事になる。
あぁ―…これは長くなること必至だな。
「ゴメン、根気よく付き合ってくれ。」
苦笑い混じりにそう零せば、横で「ははっ」と笑い声がした後、「いくらでも。」なんてセリフを甘ったるい笑顔で返された。
「なに、うまく説明できそうにない?」
いや、話は至ってシンプルだ。
たくさん悩んで考えて、自分の中で整理もついてるから説明自体に困りはしない。
夜眠れなくて、無駄に時間はあったからな。
「そうじゃなくて、ちょっと昔話をしなきゃだから…話が長くなるかも。」
まぁ剣吾はずっと俺と一緒に成長してきた訳だし、ある程度の事は知ってそうだけど。
「剣吾はさ、」
「うん?」
「俺ん家のこと、どのくらい知ってる?」
「唯人の家のこと?
そうだな…よく入り浸っていたし、大概の事は知ってるんじゃないか?
だってホラ、救急箱の位置わかるし。」
―――…救急箱?
最初のコメントを投稿しよう!