君の知らない過去

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クラスの男子が集まって話している中、やはり大人しく座っている唯人。 話題は昨晩放送されたテレビについて。 「昨日の●●●観た?」 「あぁ、観た!めっちゃ笑ったわー。」 「アイツら馬鹿だよなー。」 「わぁ~っ!?ネタバレすんなって!!母ちゃんが寝ろってウルサくて、俺録画してるんだからさー。」 子どもにも人気の某お笑い番組だったが、夜10時からの放送なので親に寝かされる子どもが多かった。 「親ってウルサイよなー」と愚痴り合う。 ここまではいつもの光景だった。 だがしかし、この日1人の男子が唯人に声をかけたのだった。 「なぁ、唯人は観たのか?」 何気ない質問。 いつも静かに傍に居るだけの唯人に、何となく声をかけた。 だがしかし、これが唯人とクラスメイトの間に大きな壁を隔てるきっかけとなったのだった。
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