君の知らない過去

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唯人の発言に目を剥くクラスメイト達。 その様子をコテンと首を傾げて見る唯人。 しばらく見つめ合った後―… 「すげぇーっ!!」 「なにそれカッコイイ!」 「お手伝いさん雇ってるの?」 「俺知ってる!〝家政婦″だ!」 「は―…やっぱ金持ちは違うな。」 ドッと沸く教室。 矢継ぎ早に質問をされるが、彼らが騒ぐ理由が分からない唯人。 「僕、ずっと杉下さんと一緒。みんなは違うの?」 そう問いかけると互いに顔を見合わせた後、クラスメイト達が笑い合う。 「違う違う!」 「普通は家族がいんじゃん。」 家族… 父さんと母さん? 「家事は母ちゃんがしてるぜ。」 「勉強も親とかに聞くよな?」 「俺は兄貴に教えてもらってるよ。」 「普通そうじゃん。」 ―――…ズキンッ …普通? 俺の家は、普通じゃない?
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