君の知らない過去

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■唯人side 「っ、???」 なぜか一瞬だけ胸が痛んだ。 痛くて、苦しい。 ヒュッと喉が締まるような、そんな感覚… 胸の上の服をギュッと握ってみるけど、苦しかったのは一瞬だけでもう何ともない…かも? 「唯人のお母さん、家事しねーの?」 ズキン… 「あ、うん。お母さん、仕事忙しいから帰って来ない。だから家事できないの。」 質問されて、俯いていた顔をパッと上げて答える。 「え、家に母ちゃんいねーの?」 「じゃあ、お父さんは?」 ズキンッ 「父さんと母さん、一緒に働いてる。だから、父さんも帰って来ないよ。」 ズキン、ズキン、ズキン―… なんだろう、胸が痛いなぁ…
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