君の知らない過去

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「えー、いいなー。」 「何でもし放題じゃん!」 「親にガミガミ言われないんだろ?」 「羨ましいー。」 「一人暮らしとかカッケーよな。」 ワイワイと盛り上がる友人らを余所に、おかしな胸の痛みに首を傾げる。 ふと視線を感じて再度俯いていた顔を上げると、険しい顔をした剣吾が俺を見ていた。 「け、んご?」 なんで?怒ってる? 俺、なにかしたっけ? いつもの優しい眼差しとは全然違う、鋭くて険しい目で俺を見ている。 剣吾がなぜ怖い顔をしているのかが分からなくて、ただ見つめ返す事しかできなかった。 すぐ側で騒いでる奴の声なんて、耳に入って来ない。
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