君の知らない過去

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状況に付いていけない俺は、なすがまま剣吾に抱き締められていた。 「剣吾、どうしたの?どっか痛い?」 「…痛いのは唯人だろ…」 「ぼく…?」 別に、どこも痛くない。 むしろ剣吾の方が苦しそうで、耳元で聞こえた声は僅かに震えていた。 「僕は大丈夫だよ。ケガなんか…「そうじゃなくて!」っ、…?」 大きな声で言葉を遮られた。 ケガじゃなかったら、なに? 「ここ、痛くないの?」 そう言って剣吾の手が俺の胸にそっと触れた。 「アイツらに色々聞かれて、ここ、痛くなかったの?」
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