君の知らない過去

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家に一人ということは、必然的に一日の会話量が普通の子どもに比べて激減する。 礼儀や社会の一般常識などは杉下さんに教わったが、俺は他者との関わりが極度に不足していた。 家族や友人などとのコミュニケーションの中で、無意識のうちに学ぶものは多い。 隣に体温を感じたり、ハグなどの何気ない触れ合いだって、精神の安定などに大きな役割を持つ。 だけど、当時の俺にそんな相手はいなかった。 結果―… 『周囲の子どもとの違い』 俺はそれを、小学校に入学してすぐ、嫌でも痛感する事となった。
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