期待と現実

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「あははは。楽しいな―♪」 「お、降ろせぇぇぇぇー!!」 高く持ち上げたまま高速回転。 世界が回るーっ! 一難去ってはまた一難!? あ、お婆ちゃんだ。 えへへへ、さっきぶりー☆ 俺の頭がおかしくなり始めた時、急に手を離されて落下…つか空中に放り出された。 「え、マジで?」 衝撃に備えて目を瞑る。 しかし俺が落ちた先は床じゃなくて―…金髪の腕の中だった。 恐る恐る目を開ける。 すると俺は金髪にお姫様抱っこされていた。 「あ、ありがとう…」 「別に。」 至近距離で目が合う。 助けてくれたのは嬉しいのだが、正直この体勢は恥ずかしい。 一向に降ろしてくれる気配が無いため、パッと視線を外す。 逸らした視線の先では、オレンジ頭が銀髪の奴に叱られていた。
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