君の知らない過去

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そんな感じですっかり剣吾には懐いた俺だったが、他の級友との間にはどうしても壁ができた。 その大きな要因は、やっぱり会話がかみ合わないこと。 子どもの仕事と言えば、『遊ぶ』こと。 それはもう遊びに全力を注いでるよね、小さい子って。 で、最近の子の遊びと言えば、テレビとかゲームなんかが主流なわけだが…流行りのテレビやゲームを知らない俺は、当然みんなの話の内容が分からない。 だったら分かるように努力するしかない! そう思って夜更かししてテレビを見てみたりもしたけれど、静かな部屋と賑やかな画面の差に酷く心が冷めた。 みんなが言う通り番組は面白かったけれど、テレビを切った瞬間に訪れる静寂に耐えきれなくて、結局一睡もできぬまま朝を迎えることとなった。
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