君の知らない過去

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翌日、寝不足で顔色の悪い俺は一日中剣吾に心配をかけることになってしまい、だったらもう夜のテレビはいいやって思った。 みんなと話ができないよりも、剣吾にあんな顔させる方が嫌だったから。 ちなみに、俺の初夜更かしから数日後。 休日に剣吾の家へ招待された際、例の番組の録画を2人で観た。 剣吾も放課後は毎日道場で剣道の稽古があるから、疲れてすぐ寝ちゃうらしい。 昼間なのに、この間の夜に見た映像がテレビに映し出されている。 「あぁ、こうすればよかったのか」なんて思わず呟いた。 不思議な顔をする剣吾に先日の寝不足だった経緯を述べると、思いっきり眉間に眉を寄せて「なんで俺に相談しなかったのさ。」って拗ねられた。いや、怒られた? 今思えば馬鹿馬鹿しい話だけど、当時の俺は番組を録画するなんて概念すらなくて… 困ったことを相談しなかった事を怒られたのも、結構な衝撃だった。 迷惑、にならないのかな。 そんな不安を恐る恐る口にすれば、「唯人はもっと誰かを頼って甘えていいんだよ。」って頭を撫でられた。
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