君の知らない過去

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……とまぁ、そんなこんなで。 話題のテレビは録画して休日に剣吾の家で観る、という習慣ができた。 ゲームやカードも始めた方がいいのかと剣吾に尋ねたら、「唯人がしたいならすればいい。」って言われた。 突き放した言い方じゃなくて、俺の意思を尊重しての言葉。 それを聞いてうーん、と考える。 …俺は別に、ゲームがしたいわけじゃない。 子どもだし興味ない訳でもないんだけど、別に無いならそれで構わない。 その程度の執着。 第一ゲームって高額だし… 普段連絡も取らない両親に「ゲーム買ってくれ」なんて言うのも気が引けた。 参考までに「剣吾はゲームとかするの?」って聞いてみたら、「一応持ってるけど、今は剣道して、唯人と遊ぶのが1番楽しい。」って無邪気に笑った。
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