君の知らない過去

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ちなみに剣吾の話によると、子どもが親にゲームなどの高価な物を強請る場合は、誕生日やクリスマスといったイベントを利用するらしい。 特別な日のプレゼントとしてなら、多少の無理難題は通るんだとか。 「俺は竹刀とか道着のが嬉しいけどね。」 そう笑う剣吾も、今日借りたゲームは数年前の誕生日に贈られたものらしい。 「唯人は誕生日に何かもらった?」 「あぁ、うん。」 一緒にいる時間が増えるにつれて、こういう踏み込んだ質問も交わされるようになった。 だけど、剣吾なら痛くならない。 他の奴と違って、俺の返答を聞いて焦った顔をする事も、変に気を遣う事もないから。 剣吾曰く、 「何も考えないで抜遠慮な質問ぶつけて、その後の責任も取れないんなら端から来んじゃねぇ。」 ―…だそうだ。 くそっ、男前すぎんだろ、お前。
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