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うっわー、あの人怖いな…
自分が被害者のはずなのに、次第にオレンジ頭に罪悪感が生まれてくる不思議。
「お前、あんな奴からも逃げらんねーの?」
すぐ耳の横で声がした。
振り返るとやっぱり近い…
「大抵の奴は、俺が笑うと動かなくなるんですけど…千紘には効かないみたいですね。」
ははっ、と苦笑いをする。
今までは笑ってれば大抵の奴らはドン引いて、そのうちに逃げられたのに…別に悔しくなんかねーぞ。
「…あいつは可愛いものが好きだからな。」
「え?可愛いものって何です?」
今は俺の悲惨な笑顔の話をしてたんじゃあ…
というか、自分で言ってて悲しくなってきたぞ。
どんだけ酷いんだ、俺の顔は。
すると金髪が怪訝な顔で俺を見た。
えっと、眉間に皺よってるよ?
「お前、分かっててやってんじゃねーの?」
「え、何をです…?」
えーっと、何の話ですか?
さっきから言葉のキャッチボールが成立していませんぜ、兄貴。
「マジで?無自覚かよ…」
俺が若干キャラを見失い始めていると、信じられないという様な顔をする金髪のお兄さん。
もうホント何の話ですか。
いや、
俺の顔がヒドイのは分かってる!
それくらいは自覚してるよ!?
でも本当に悲しくなっちゃうから、それ以上言わないで!
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