君の知らない過去

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とまぁ、大きくなった今だから自慢になるだろう話だが。 当時の俺は小学生。 高学年とは言え、小学生が朝の読書タイムに英語の小説読んでるんだぞ? そりゃ周囲の子どもと話題が合わないわけだ。 みんな「スゲー」って言ってくれるけど、やっぱどこか違うって感じて壁ができる。 ぶっちゃけ「何カッコつけてんだよ。こんなの読めるわけねーだろ。」なんて言う奴も大勢いたし。 気の弱かった俺が、それでも本を手放さなかったのは。 遠く離れた両親と少しでも繋がっているような感覚が持てたから――…なんて、恥ずかしいから誰にも言わない。
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