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自分は一体どれだけ醜いのか…
深い悲しみにズブズブと沈んでしまいそうです、拗ねてもいいですか、いいですよね。
金髪さんの腕の中で若干涙目になり、悲しみや悔しさやらでプルプル小刻みに震える俺。
そんな俺に金髪さんが「はぁー」と大きくため息をついて声をかけてきた。
「お前、あの技どこで覚えた?」
「ふぇ?あの技…?」
「!」
声を掛けられて俯いていた顔を上げて金髪のお兄さん…長いから金髪さんって呼ぼう。
金髪さんを見上げると、金髪さんの顔がどんどん赤くなっていく。
薄らと涙の幕が張った目ではハッキリ見えないけど…金髪さんも風邪?
「あの…」
「何でもねぇ、見んな。」
えぇー…
そんなこと言うなら俺の事降ろせばいいのに。
っていうか、ずっと俺の事だっこしてて腕痛くないのかな?
「笑えば相手固まるって…誰にそう吹き込まれた?」
「えーっと…」
理由は分かんないけど、俺は中学の頃よく男女に関係なく絡まれていた。
後ろから急に襲い掛られるなんてのは日常で…女の人に押し倒された時は真剣に驚いたよ、マジで。
女の子は殴り合いのケンカなんかしちゃいけませんっ!
「で、見かねた友達が伝授してくれました。」
そういえば、ここの高校の事を教えてくれたのもソイツだったなー。
最近会ってないな、なんて思ってたら、金髪さんが盛大な溜息をついた。
…幸せ逃げるよ?
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