最後の日へのカウントダウン

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綾香さんのおかげで家事を覚えた俺は、自宅の家事も自分で行うようになった。 家政婦の杉下さんのシフトは、念のためにと月1回の訪問に契約内容が変更された。 元々『俺が家政婦を必要ないと判断するまで』という契約だったので、必然的に杉下さんの雇用に関する権限は俺に委ねられている。 多分契約を解消しても問題無かったけれど、「家事を自分でする」と告げた際に彼女が見せた僅かな動揺が気になって、月1で至らない所が無いかチェックしてもらう事にしたのだ。 急に解雇されたら、経済面や暇を持て余したりで、色々不都合があるかもしれない。 子どもの俺が心配するような事じゃない、逆に失礼だとも思ったけれど、やっぱり彼女にはお世話になったから… 少しでも、彼女が楽になればいいと思った。 綾香さんに家事を教わっていたのも、そういう気持ちがあってなんだから。
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