最後の日へのカウントダウン

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なんにせよ、 『唯人も元気かしら?』 『1人で大丈夫なの?』 『何かあったら遠慮なく言いなさい』 母さんのくれた、俺を気にかける言葉が嬉しかったから。 『また連絡するわ。』 『またね』 次の約束をくれたから。 『ママより』 俺の事を―…息子の事を忘れてないって、分かったから。 今は、それだけで十分だ。 嬉しさに緩む頬を気にすることなく、もう一度大きなソファに寝転がって身体を丸めた。 「へへ。母さん、返事早かった。」 日本とアメリカじゃ時差がある。 その事も考えて、向こうの時間が日曜日の午後9時の時にメールしたんだけど。 お仕事とか、 大丈夫だったかな。 邪魔しないようにって、返事しなかったけど。 その日は気力を全部使い果たしちゃって、そのままコテンと眠ってしまった。 両手で大事に携帯を握りしめたまま。
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