期待と現実

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対する先生は… 何か楽しんでない? 再び視線を千紘に戻すと、ニッコリ笑って自己紹介を始めてくれた。 「僕は片倉 千紘(カタクラ チヒロ)。1年で、実は姫ちゃんと同じクラス。よろしくね。」 大きなクリっとした目が可愛くて、笑うと子犬みたい。 茶色のフワフワした髪が余計にそう思わせるんだろうな。 身長は俺よりも少し高いくらいだったから―…多分173cmくらいじゃないかな? あ、ちなみに俺は170cmジャストです。 「椎名 湊(シイナ ミナト)、2年。」 口数が少なくて無表情だけど、俺を真っ先に助けてくれた優しい人。 艶やかな黒髪と黒い目がよりクールな印象を与えて格好いい。 「俺は城戸 新(キド アラタ)、2年。さっきは悪かったな。改めてよろしく!」 さっき俺を振り回したオレンジ頭。 明るくて元気で、常に笑顔。 笑った顔は少し幼くて、何だか人懐っこい性格だ。 「佐久間 弘斗(サクマ ヒロト)、3年です。よろしくお願いしますね、唯人君。」 銀髪で眼鏡をかけている。 優しい笑顔と丁寧な言葉遣いに騙されそうになるけど―…俺は知っている。 さっき新先輩を叱ってた弘斗先輩。 俺のためだけど…マジ怖かった。 絶対に裏がある! 「出城 洸(イズルギ コウ)、3年だ。」 綺麗な金髪に、飛び抜けて整った容姿。 さっき抱えられた時に気付いたけど、先輩の瞳が赤色だった。 言葉や態度は素っ気ないんだけど、冷たいのとは少し違う感じがした。
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