最後の日へのカウントダウン

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そんな『お宝紛失事件』から数か月。 未だに事件の真相は謎のまま時は過ぎ、杉下さんが正式に家政婦を辞める事になった。 合鍵を返してもらって、玄関までお見送り。 「それでは、今までありがとうございました。」 「こちらこそ、長い間俺の面倒を見てくれてありがとう。本当に感謝しています。」 「いえ。名残惜しいですが、失礼します。」 そう言って一礼した後、口元に小さな笑みを浮かべて杉下さんは出て行った。 あまり表情は変わらないし、口数も少ない人だったけれど… 『名残惜しい』 そう言って最後に微笑んでくれたことが嬉しくて、俺は笑みを浮かべてリビングへ戻ったのだった。
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