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ドクドクと動悸がうるさい。
背中に冷たい汗が浮かんで、ゾクリと背筋が凍る。
嫌な予感しかしない。
「聞くな」と、俺の中の全てが危険だと警鐘を鳴らしている。
嫌だ、聞きたくない。
『もうそんなに大きくなったのね。』
『確か剣道で全国1位を取ったとか。』
けれどそんな事にはお構いなしに、彼女らの会話は続く。
『凄いわねー。うらやましいわ。』
『逞しいし、カッコイイ顔立ちだしね。』
何故かは分からないけれど、怖い。
『きっと可愛い彼女でもいるんでしょうね。』
『あら、だったら今頃デートしているはずでしょう?』
聞いてしまったら、俺は…っ
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