グラウンドゼロ

9/10

2656人が本棚に入れています
本棚に追加
/411ページ
ドクドクと動悸がうるさい。 背中に冷たい汗が浮かんで、ゾクリと背筋が凍る。 嫌な予感しかしない。 「聞くな」と、俺の中の全てが危険だと警鐘を鳴らしている。 嫌だ、聞きたくない。 『もうそんなに大きくなったのね。』 『確か剣道で全国1位を取ったとか。』 けれどそんな事にはお構いなしに、彼女らの会話は続く。 『凄いわねー。うらやましいわ。』 『逞しいし、カッコイイ顔立ちだしね。』 何故かは分からないけれど、怖い。 『きっと可愛い彼女でもいるんでしょうね。』 『あら、だったら今頃デートしているはずでしょう?』 聞いてしまったら、俺は…っ
/411ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2656人が本棚に入れています
本棚に追加