好物が招いた危機

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■唯人side ざわざわと教室が賑やかになる。 今は授業初日の昼休み。 誰かに肩を叩かれて目を覚まし、重い目を擦ると、目の前に颯がいた。 「よ!やっと起きたか。」 「んぁ、颯ぉ?」 寝起きで上手く舌が回らない。 んんー…頭もまだボーってしてる。 「ひゃあー!姫ちゃんってば寝起き可愛すぎっ。」 あー、この声は千紘か。 寝起きにコイツのテンションの高さはキツイな… 「ん、何か用?」 「ばーか。昼飯食わねぇの?」 昼飯…あ、もう昼か。 そーいえば腹減った。 「ほら、購買行くぞ。」 颯が俺の手を引いて席から立ち上がらせる。 「あっ、颯ってばズルイ。僕も姫ちゃんと手繋ぐ!」 そう言って俺の腕にしがみついてくる千紘。 うーん、こいつは犬で決定だな。 チワワあたりの可愛い小型犬。 嬉しそうに振る尻尾が見えるぞ何故だ? 「はは。千紘って本当に唯人が好きだなー。」 3人で他愛もない話をしながら食道へ続く廊下を歩く。 …あれ? なんか違和感、というか… 「ねぇ、2人っていつの間に仲良くなったの?」 「「え、今さら?」」 うぐっ、 ダブル攻撃は勘弁して下さい…
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