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颯の顔が、俺の肩に触れる。
「…んっ、…」
息が耳にかかって少しくすぐったい。
「言ったろ?唯人は男の俺でもドキってするくらい綺麗なんだ。だから自信持て。分かった?」
すぐ耳の傍で颯の優しい声がする。
息のかかる距離…
颯が言葉を発する度に、ピクンと体が反応する。
「…わ、分かったっ」
「本当?次は絶対許さないから。」
「んっ、…ひぁッ!」
「耳…弱いんだ―…?」クスリ
颯が俺の耳をかぷっと甘噛みして離れた。
俺は耳を押さえて、ヘナヘナとその場に座り込む。
「なっ、なっ、…」
「お仕置きだよ、唯人。」
「お、お仕置き!?」
あー、ヤバイ。
俺、今絶対に顔が赤くなってる!!
「そ。唯人は俺や千紘より綺麗な顔してるんだから。」
え…そうなの?
それでみんな俺の事見てたのか?
「もうつまらない理由で離れて行ったり、泣いたりしないで。分かった?」
「…はぃ。」
やっぱり颯と千紘カッコいい…
まだイマイチ俺が綺麗な顔しているってのは信じ難いけど、2人の目が本気だったから―…ちょっとだけ自分に自信を持ってみようと思った。
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