好物が招いた危機

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これ、すげーウマいんだけどなぁ。 「パン、一口食う?」 「んー…」 千紘は少し悩んでチラッと俺を見た。 するとニコッと笑って、 「じゃ、一口だけちょうだいっ。」 「うん。千切るから待ってて―…」 ガシッ 「え?」 千紘に手首を掴まれた。 手首から千紘に視線を戻すと、すぐ近くに千紘の顔。 「え、なに…てか近くない?」 身を乗り出して、俺と千紘の顔の距離はわずか数センチ。 後ずさりすると颯の肩にぶつかった。 「なっ、ちょっと颯!」 助けようとか思わねーの!? 「んー?はは。仲良しだな―。」 そう言ってまた弁当を食べ始める。 だーっ!この天然バカ!! 俺の心の叫びも虚しく、千紘はどんどん距離を詰めて来る。 もう、一体なんなわけ!?
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