期待と現実

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―――――――― ―――――… ん、なんだ? 体が揺れてる… 「おーい、起きて。」 なんか声も聞こえる。 聞き慣れていないけど、穏やかで落ち着く声。 「…ん…」 目を開けると、さっきの奴が俺の顔を覗き込んでいた。 「おはよ。式終わったよ。」 「んー…あり…がとぉ」 「!!/////」 ダメだ、寝起きは声がかすれてうまく話せない。 ちゃんと聞こえたかな? 頭がボーっとしたまま、眠い目を擦った。 低血圧のせいか、いつも目が覚めるのに時間がかかる。 「大丈夫?とりあえず出なくちゃ。」 そう言って「ソイツ」は俺の手を引いて歩き始めた。 周囲に人の気配は無く、どうやら俺達が最後のようだ。 俺が起きるまで待っててくれたのか… いい奴だなぁ…なんて覚醒しきらない頭で考えながら、俺の手を引く背中をぼんやりと見上げていた。
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