好物が招いた危機

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昼休みも終わりに差し掛かり、教室に向かって歩く。 「そーいえばさ、何で颯と千紘は仲良くなったんだ?」 目をパチクリして、2人が顔を見合わせる。 「なんでーって、姫ちゃん…」 「だって俺ら、席が前後だし。」 「え、そーなの?」 そう言えば、『片岡』と『片倉』だ。 「昨日も今日も、ずーっと寝てるからだよ?自分のクラスメイトの顔も、ろくに知らないでしょ。」 「うっ…」 だって授業つまんないし。 出席してるだけ偉いじゃん。 中学の時に比べたら、確実に進歩してるっての。 ふと昨日の事を思い出して声をあげた。 「あっ!浅井は知ってるぞ。」 昨日の放課後、俺に入部届けを渡してくれたんだ。 「浅井って、学級委員長か。」 へー、そうなんだ。 確かにイメージ通りかも。 真面目そうな感じだったもんなー。
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