好物が招いた危機

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俺がフンフンと首を縦に降っていると、横から不満げな声が発せられた。 「あー…僕アイツ嫌い~。」 声の方を向くと千紘が苦い顔をしている。 つか、まだ学校始まって二日だぞ? それなのにもう嫌いな奴ができたのか。 「何かあったのか?」 俺が尋ねると、千紘はチラッと俺の顔を見て、申し訳なさそうな顔をした。 「?」 なんだ? 「…アイツ、僕らの事を凄く怖がってるんだ。美術部だからって…僕は仕方ないけど、そのせいで姫ちゃんまで友達が減っちゃうのは嫌だ…」 「なんで、そこで美術部が出てくる?」 「…昨日、洸や僕たちが真面目な生徒に見えた?」 「いや。バリバリの不良に見えた。」 そこは即答だ。 だって美術部なのに活動してないし、頭がカラフルだったもん。 ―…ああ、そういう事か。
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