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長かった授業が終わり、賑やかな放課後を迎える。
学校の校則で、全生徒が部活動に入らなければならない事もあり、この学校の放課後は活気に溢れている。
そんな中、ダルそうな足取りで美術室に向かう洸。
いつもは弘斗と一緒だが、今日は職員室に寄ると言うので一人。
すっかり自分たちの根城と化している美術室の扉を開けると、部屋は静まり返っていた。
「ん、まだ誰も来てねーのか?」
部屋の最奥の壁の中央にどっしりと鎮座する、大きな白いソファーにドカッと身を沈める。
目を閉じて眠りに入ろうとすると携帯が鳴った。
眠りを邪魔されて不機嫌になる洸。
「ったく、誰だよ…」
携帯を開くとメールの差出人は湊だった。
「湊?あいつがメールなんて珍しいな…」
何かあったのかと急いでメールを開く。
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今ケンカ中。
新も一緒。
疲れたから新とこのまま帰る。
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また絡まれているのかと、喧嘩が嫌いな湊に「お疲れ」と呟いた。
ケンカの最中にメールを打てるくらいなら心配は不要だろう。
メールを読み返し、湊らしい文に思わず笑いが漏れた。
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