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■唯人side
あれから昼からの授業を全てサボった俺と颯と千紘。
屋上で他愛もない話をしてたくさん笑った。
そして時は流れて放課後。
颯はサッカー部へ走って行った。
「千紘、みんなの所行かないの?」
「うん、今日は帰る。ゴメンね。」
いや、謝るのは俺の方だ。
だって千紘が泣いた原因作ったの俺だし…
一人で美術室へ向かい、扉を開けた。
「あれ、誰もいない…?」
静かな部屋を見渡していると、奥のソファに仰向けで寝ている洸を見つけ、起こさないように静かに近寄る。
少し幼く感じる寝顔。
形の良い薄い唇から、静かな寝息が聞こえる。
「んー…眠い。」
どうして人が寝ていると、自分まで眠くなるのだろう。
「まぁ、昨日あんま寝てないから仕方ないか…」
床に座り込み、ソファに背と頭を預ける。
「ふぁっ。…おやすみなさい。」
俺はすぐに眠りに落ちた。
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