美術準備室

10/17

2653人が本棚に入れています
本棚に追加
/411ページ
仲間想いで、不器用だけど優しい洸。 仲間に呼び捨てやタメ口を許すのは、壁を無くして近くにいたいから。 ダルそうにソファーに腰掛けていても、騒いでいるメンバーをよく見てる。 俺が生意気言っても本気で怒らなかったし、眠ってる間ずっと手を握ってってくれた。 最初にずっと俺を抱えてくれてたのは、俺がまた誰かにイジられないよう守るため。 「…っ、」 「ね、優しいでしょ?」 「でも、初対面じゃそんな事分かんねーだろ。お前は初めから俺の目を見てた。」 普通の奴は目も合わせないらしい。 「あー、それか…何か言うの恥ずかしいな…/////」 「?」 コホンッと1つ咳払いをして、洸を見る。 「…」 「?」 訳が分からないって顔だな。 そっと洸の顔に両手を添える。 洸の赤い瞳がよく見えるように。 驚いた顔をした洸にクスリと笑って、意を決して言葉を紡いだ。 「洸のさ、紅い瞳がスゲー綺麗だと思ったんだ。」 「!!」 「初めて見た時から、今も。つい引き込まれて見惚れてしまう。」 「…気味、悪くねーのか?」 カラコンを入れていないのに紅い目。 そのせいで色々あったんだろーな。 でも… 「俺は好き。力強くて、どこか優しい感じ。洸そのものみたいでさ。………洸?」 洸が急に動かなくなった。 大丈夫かと声をかけようとした時、 「うわっ、」 俺の上に洸が倒れこんで来た。
/411ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2653人が本棚に入れています
本棚に追加